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郊外系デイタイム

まやかし 7

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まやかし 7

1月19日 水曜日

 あれから私は八尋くんに異常に尽くすようになった。
 実は恥ずかしくてその日のうちに書けなかったんだけど、クリスマスデートの日に私は八尋くんの家に誘われた。両親は常に忙しくて基本的に家にいないからって。だから私は八尋くんの家に行って、そのまま一晩泊まった。心細さを私で埋められるのならって。
 尽くすというのは具体的に言うならばそういうことの頻度が増えたと言える。恋人同士だもん。おかしいことなんて一切ないでしょう。
 私たちの交際が発覚した時、クラス内にはどちらかといえば祝福とは逆の視線が多かったけど、最近はそれもなくなった。
「風花、最近変だぞ」
 雪歩が心配してくれる。私のたった一人の親友。
「大丈夫よ。ありがとう」
 雪歩はそれでも納得した表情を見せてはくれなかった。
 私は八尋くんと別れてはいけない。なぜならナミの呪いがあるから。でもそんなことは関係なく、私たちは好き合っているのだからこのままでいればいいと思っていた。
 でも状況は変わってしまった。あの子の存在が私たちの関係を脅かす。あの子が八尋くんを殺す。そんなことは、あってはいけない。
 私は日に日に八尋くんとの関係を深めて行った。私がそうであるように、八尋くんも私がいないと生きられないと感じるようになればいいと思った。事実、私がいないと生きられないんだから。
 八尋くんにはもっと私のことを好きでいてほしい。だから私ももっと八尋くんのことを好きになる。
 幼馴染の子の噂もめっきりきかなくなった。七十五日どころか七日で冷める噂なんかに弱っていたなんて愚かだったなと思う。
 ……でもまだ足りないの!
 ああ、お互いがお互いの所有物であるという証拠が欲しい。それで私たちのつながりはもっともっともっと強くなる。だから、明日の夜も、また八尋くんに会いに行きたい。

「風花、見違えたな」
 家に帰ると、ナミは私のティーカップで湯浴みをしていた。
「そうでしょう。女は恋をすると美しくなるのよ」
「ほう、それはいいことを聞いた」
 ナミはあまり関心なさそうに答えた。私だって、ナミなんかどうだっていい。

 

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