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郊外系デイタイム

まやかし 5

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まやかし 5

1月11日 火曜日

 私と八尋くんが付き合っているというのは、実は学校内では雪歩しか知らない事実だった。それがクリスマスデートや一緒に行った初詣を誰かに目撃されていたらしく、三学期が始まって早々に私は注目の的となった。
 そして私にも雪歩にあったのと同じような時期が到来した。周りからの視線が痛い。私は雪歩と違っておっかないところなんかないし、その気になればすぐさまいじめコースに突入してもおかしくなかった。夏見高校がそれなりに良識ある生徒の集まりでよかったと思う。
 むしろ、私を苦しめる出来事はそれとは別にあった。

 昼休み。人通りの少ない管理棟三階の廊下を歩いていると、柱の陰からすすり泣く声が聞こえた。女の子の声。夜に聞いていたらか
なり怖かったろうな……。
 通りがかった時にそっちの方を振り返ってみると、そこには雪歩と、雪歩の胸で泣いている女の子がいた。
「雪歩、どうしたの?」
 私が声をかけると、その子は私の方を一度見て、一目散に走り去ってしまった。その時の痛ましい表情が、その子のことを何も知らない私にも強烈に印象づいた。
「あっちょっと待って」
 私がそう言ったけど、
「やめときな風花」
 雪歩に止められた。
「どうしたの、あの子」
 私が訊くと雪歩はとても気まずい表情になる。
「あまり、風花に知られたくはなかったんだけど……」
 バツの悪そうな表情をする雪歩。
「もしかして、八尋くんと関係があるの?」
 私に思い当たることと言ったらそのくらいだった。……あれ、何言ってるんだろ。
 これじゃあまるで私が八尋くんとの仲を後ろめたいと思ってるみたいじゃない。
「まあ……ね」
 そしてそれは的中した。
「聞かせてくれる?」
 雪歩は隠し事が嫌いだから、しぶしぶでも口を開いてくれた。
「あの子、八尋の幼馴染なんだ。ずっと八尋のことが好きで、クリスマスに告白しようと思ったんだけど一歩が踏み出せなかったらしい」
 ……。
 それ以上は聞かなくても分かる。でも雪歩の言葉を止める言葉は私の口からは出てこなかった。
「それで今日、告白を躊躇して後悔した矢先に八尋が風花と付き合ってるってことが判明だろ? そりゃ、ああなるよ。しかも幼馴染なのに知ったのは他のやつらと同じタイミングだからな」
「……なにそれ」
 唯一漏れた私の言葉がそれだった。
「風花」
 私の心中を察したのか雪歩が改めて私を呼んだ。
「気持ちはわかるけど、落ち着け。風花は何も悪いことはしてない。あの子だって風花を恨んでなんかいないよ」

 だめ、今日はもうこれ以上書けない。続きは明日書く。


 

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