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郊外系デイタイム

まやかし 2

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まやかし 2

12月20日 月曜日

 クリスマスが近い。恋人同士となったばかりで忙しい私たちには、このイベントはちょっと急にも思える。でもまあ来てしまったものは仕方がない。私は八尋くんにプレゼントを用意することにした。だから今日は雪歩と二人で駅前のスーパー、通称『フラワーズ』に行った。
「どうせ八尋も風花に何か用意してるんだよ? いいよねえ新婚さんは」
 待ち合わせ場所で雪歩と合流して、その時の雪歩の第一声がそれだった。
「そんなことあるかな」
 私は照れながらそれを打ち消したけれど、もちろん当日はプレゼント交換をすることになるのだろうと決め込んでいた。
「雪歩は藤崎くんから何かもらえないの?」
 訊くと、
「さあ。ついこのあいだ退院祝いもらったけど、結局私たちってそういうの柄じゃないんだよねえ」
 さっきは羨ましがっていたのに結局柄じゃないと、変なことを言うなあと後になって思った。とにかく今は自分のことで頭がいっぱいだった。
 滅多に行かないから、フラワーズにこんなおしゃれな雑貨屋があるとは知らなかった。私は、ストラップでも小物でもいいから、何かお揃いに出来る者はないかなと店内を見回った。雪歩は雪歩で自分の探し物があるのか、自然と二人の距離は離れて行く。
 周りに雪歩どころか人ひとり見えなくなったタイミングがあった。たしか、店に入ってそのまま直進して突き当りを右に曲がってさらに進んだところ。売り場の最深部といってもいいくらいのところで、私は出会ってしまった。
「おや、どこかで見た顔だと思いきや、おまえは私の玩具じゃないか」
 最初は姿が見えなかった。どこから聞こえてきた誰の声なのかもわからなかった。
「誰?」
 私はとっさに振り返って呼びかけた。
「ここじゃよ。早く気付かんかい」
 催促の声を聞いて私はようやく声の主を発見した。
 目の前の陳列棚を見る。高そうなティーカップがある。そしてその手前に、人がいた。しかし、その人はえらく小さく、ティーカップが浴槽にでもなりそうな程度だった。
「はじめまして。私の名前はナミ。暇つぶしにおまえに呪いをかけた神様じゃ」
 雑に着られた、露出度の高い白装束を揺らしながらその小さい女性は言った。
「私はとにかく暇なんじゃ。せいぜい楽しませてくれよ?」

 

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