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郊外系デイタイム

まやかし 1

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まやかし 1

12月16日 木曜日

 好きな人に告白されるという形で、私は片思いを成就させた。
つまり私と彼はもともと両想いで、今日の告白イベントはそのことを確認し合っただけに過ぎなかったのかもしれない。
「風花、一緒に帰ろう」
「うん」
 放課後の八尋くんのこのお誘いもいわば必然。昨日までの不安な日々が嘘のように、今の私はなんだか無性に勝者の気分。
 きっと後になって読み返せばそれは痛々しい過去でしかないんだろうけど、せっかくだからこれからの日々を軽く日記にしていこうかなと思っている。毎日書く必要はなくて、書きたいと思った日にだけ書けばいい。
 佐上風花と渡貫八尋は同じ夏見高校の一年B組。しかし会話はほぼなし。そんな私が八尋くんに興味を持った理由は至極単純明快。顔が好みだったからだ。
 このクラスには共通認識として顔がいい男子というのが二人いて、八尋くんはその二人のうちの明るい方だ。
もう片方の藤崎くんは寡黙な人で、友達も無駄には作らないタイプ。でもそれがかえって一部の女子に人気を集めている。とはいってもC組の人とすでに付き合っているから、藤崎派の人たちは遠いところで見守るだけに留めているらしい。実はその彼女さんと私はお友だちだったりするんだけど、聞く話によるとC組にいる彼女さんとやらはみんなから見たら結構おっかない人のようだ。下手に接近できないんだろうな。実際はとってもかわいいのに。入学当初はその彼女さん、雪歩をひどい目に合わせようという過激派もいた。簡単にかわされていたけれどね。
 八尋くんはいつもクラスの中心に近いところにいる。明るく社交的で、それでいて純粋な優しさを併せ持っている。女子だけでなく男子からの信頼も厚い、最近ではなかなか見ない類の男の子だ。
 八尋くんは誰にでも優しい。でも、その中でも私と付き合うことを選んだ。時々なぜ私なのかと思うこともあるけれど、幸せならそれでいいのかなと思うことにしている。付き合い始めて一週間。まだ手も触れていない。じれったいけど、そういう時間がいいものなんだと昔からよく言われている。これからどんなことが起きるか、楽しみで仕方がない。なんだろう、今の自分、傍から見たらとても気持ち悪いんだろうな。まあでもこうやって日記に感情を写しておけば、いざという時にハメを外すことなんてないよね。
 というわけで一日目の日記は終了。次この本を開くのが、楽しみで仕方がない。

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